皆さんに、「私たちの将来はだいじょうぶか?」と尋ねたら、どう答えるでしょうか。 内閣府が実施した世論調査(2008年6月)によりますと、日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていると答えた人の割合は、70.8%にも達しています。とくに、40代、50代での不安が高いことがわかります。20年ほど前の1991年には、この値は50%以下でした。近年、国民の間で不安が高まっているといえます。 たしかに、将来を心配させるような事件が続出しています。たとえば、農薬に汚染された輸入食材の問題、耐震偽造のような住への不安、サブプライム危機から始まる世界同時不況での職への不安、年金問題、新型インフルエンザの発生の可能性など、いくらでもあります。 しかし、不安だ、心配だといっているだけでは、事態は好転しません。大恐慌に直面し、人々の不安が高まっているとき、アメリカの大統領フランクリン・ルーズベルトは、就任演説で「恐れるべきは恐れそのもの (Only thing we have to fear is fear itself)」と国民に訴えました。 不安の原因を明らかにして、それへの最も有効で効率的な対応方法を考えていかなければなりません。よくよく知れば、「幽霊の正体見たり枯尾花」ということだってあるかもしれません。 そこで、本年は、私たちが「だいじょうぶか」と思っているような様々な問題を選んで、名古屋大学の研究者が、問題の正体を明らかにし、その問題解決のための学問的な取り組みについて、分かりやすく講義します。言い換えると、安全・安心で持続可能な社会を実現するために、名古屋大学で取り組んでいる様々な分野の研究成果の紹介を目指します。 これまでの科学の発達は、未知の病に対する特効薬の開発のように、私たちの不安の解消に成功してきました。大学で行われている研究は、将来の不安という暗闇を照らす灯りの役割をします。もちろん、残念ながら、多くの問題について即効薬が用意できているわけではありません。その場合でも、問題の所在を明らかにするだけでも、不安感はかなりおさまるはずです。そして、どうして解決していったらよいのかを考えることもできます。

皆さんに、「私たちの将来はだいじょうぶか?」と尋ねたら、どう答えるでしょうか。 内閣府が実施した世論調査(2008年6月)によりますと、日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていると答えた人の割合は、70.8%にも達しています。とくに、40代、50代での不安が高いことがわかります。20年ほど前の1991年には、この値は50%以下でした。近年、国民の間で不安が高まっているといえます。 たしかに、将来を心配させるような事件が続出しています。たとえば、農薬に汚染された輸入食材の問題、耐震偽造のような住への不安、サブプライム危機から始まる世界同時不況での職への不安、年金問題、新型インフルエンザの発生の可能性など、いくらでもあります。 しかし、不安だ、心配だといっているだけでは、事態は好転しません。大恐慌... Show more

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